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私の価値観の礎『女神』三島由紀夫著
三島由紀夫 女神 アンチルッキズム 『三島由紀夫』の著書を読んだことありますか?彼の名前を聞くと、市谷駐屯地での演説、そしてその後の割腹を思い出す人も多いのではないでしょうか?私の思う三島由紀夫は美に囚われた人です。 そんな『三島由紀夫』という美に翻弄された作者の描く女神は男性が求める女性の美、女性が認識する美のしがらみを描いていると言えるのが本作品です。 女性の美とは何か?若さは美しさなのか?幸せとは何か?生きているとそういうことを考える時があるのではないでしょうか? そんな時に何が大切なのか考えるヒントになる、今一度自分の価値は何かを考えたくなる一冊です。 「女として美しくなかったら一文の値打もない」現代においても口にしなくても心の中でそう思っている人もいるかもしれない。しかし、そうだろうか?この作品の主人公の女性、朝子は完璧である。父から美しさへの英才教育を受け育ち若く美しい女性へと成長を遂げた。見た目の美しさその完璧さは外野からの話であって生身の人間である彼女はその完璧さ主人公の母もかつては完璧であった。夫である朝子の父によりまた美しい夫人であった。見た目の美しさは脆い。美しさがその人の値打ちだと洗脳されていたとすればその見た目の美しさを失った時、若さは失われる。外見は変わる。この作品に出会ったのは確か中学生の頃でした。誰しも若さだけは余るほどあるお年頃です。美とは何か、価値とは?幸せとは若く美しい女に人生の苦難なんかないと思っている。美しく生まれた女には人生は楽勝で、生まれながらに勝ち組だと思っている。そこにどんな絶望が私たちの価値を高める方法は別にあるはずだ。知性、教養、経験から得られる知恵はどんなに盗みたくても盗まれない資産であるのだ、と思わせてくれる。 三島由紀夫 女神